家なき子特例と保有継続要件 2

前月に続き、名古屋在住の方からの質問に対する回答の続きです。

家なき子特例の場合(相続人が同居していない場合)、保有継続要件は満たす必要がありますが、居住継続要件を満たす必要はありません。

申告期限までに実家に引っ越さなくてはならないという要件はないということです。

では、その実家の建物を取壊した後、更地を駐車場として貸し出す場合にも特例は使えるか、という疑問が出てきます。

たしかに、居住用の土地として小規模宅地等の特例の適用を受けるのに、申告期限においては貸付事業用の土地にかわっています。

しかし、この場合でも、(他の要件を満たせば)保有継続要件は満たしていますし、私が調べた限りは、家なき子特例の場合に、住める状況にしておかないといけない、実家を取り壊してはいけない、貸し付けてはいけない、といった要件は出てきませんでしたので、私見ではありますが、小規模宅地等の特例は適用できると考えます。

なお、実家を取り壊して土地の売却を考えている方が一時的に駐車場として貸し出すと使えなくなる特例(いわゆる空き家特例といい、相続税ではなく、所得税に関する特例です。)もあったりしますので、注意が必要です。