高次脳機能障害について弁護士に相談

交通事故による後遺障害の一つに「高次脳機能障害」があります。

高次脳機能障害は,脳に損傷を負い,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害といった症状により,日常生活や社会生活に制約が出る状態のことをいいます。

この高次脳機能障害について,適切な後遺障害認定を受けるためには,法律,医学,後遺障害認定に関する専門的な知識に基づき,しっかりと準備をしたうえで,申請を行うことが重要です。

弁護士法人心では,高次脳機能障害の後遺障害申請に力を入れて取り組んでいます。

詳しくはこちらをご覧ください。

配偶者の税額の軽減

相続税減額の特例について,よく使われるものに配偶者の税額の軽減が上げられます。

配偶者の税額の軽減は,被相続人の配偶者が取得する相続財産について一定の範囲で相続税がかからない制度です。

一般的に,配偶者の財産により生活されている方も多いですので,遺された配偶者のその後の生活に配慮して,特に大きな税額の軽減が認められています。

配偶者の税額軽減により,1億6000万円か法定相続分のどちらか多い金額までは相続税はかかりません。(相続税法19条の2第1項)

 

ちなみに,法定相続分とは,民法上認められた相続人の相続割合のことをいいます。 例えば,①配偶者と子供が相続人である場合,配偶者の法定相続分は2分の1となります(民法900条1号)。

②配偶者と直系尊属が相続人である場合は, 配偶者の法定相続分は3分の2となります(民法900条2号)。

③配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は, 配偶者の法定相続分は4分の3となります(民法900条3号)。

 

 

 

参照条文 抜粋

(配偶者に対する相続税額の軽減)

第一九条の二 被相続人の配偶者が当該被相続人からの相続又は遺贈により財産を取得した場合には、当該配偶者については、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した残額があるときは、当該残額をもつてその納付すべき相続税額とし、第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額以下であるときは、その納付すべき相続税額は、ないものとする。

一 当該配偶者につき第十五条から第十七条まで及び前条の規定により算出した金額

二 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の総額に、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額が当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額

イ 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額に民法第九百条(法定相続分)の規定による当該配偶者の相続分(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続分)を乗じて算出した金額(当該被相続人の相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)が当該配偶者のみである場合には、当該合計額)に相当する金額(当該金額が一億六千万円に満たない場合には、一億六千万円)

生命保険金と相続税

名古屋の弁護士の内堀です。

前回の記事でも述べたように,生命保険金は相続財産ではありません。

ならば,相続税がかからないのではないか,相続財産を被相続人が亡くなる前に保険料としておけば生命保険金全額に相続税はかからず節税になるのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが,それは違います。

 

相続税法3条1項1号抜粋

第三条  次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。

一  被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約を取得した場合においては、当該保険金受取人について、当該保険金の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

 

簡単にまとめると,被相続人が保険料を払い,相続人が受取人となった場合,税務上は,保険金は相続により取得したものとみなし,課税の対象となるということです。

いわゆる,「みなし相続財産」といわれています。

 

ただし,生命保険金全額が相続税の対象となるのではなく,一定金額は非課税となることが認められています。

 

第十二条  次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。

五  相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額

ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

 

簡単にまとめると,「法定相続人の人数×500万円」については,非課税となります。

この限度額の範囲において,相続税の節税が可能です。

 

このように,民法上の相続と税務上の相続は,その仕組みがまったく同じというわけではありませんので注意が必要です。