先日、名古屋の大手銀行の担当者から「遺留分対策になるので、死亡保険金の受取人をお孫さんにしてはどうでしょうか。さらに生存給付金型の保険がおすすめです。」と提案を受けたというご相談がありました。
確かに、生命保険は遺産分割の対象外となるため、遺留分対策として活用されることがあります。
また、法定相続人への生前贈与は最大10年分が遺留分計算の対象となりますが、孫への贈与は相続開始前1年以内におこなわれた分だけが対象となります。
そのため、上記提案は、遺留分の対策になるものでした。
しかし、相続対策は遺留分だけでなく、相続税まで含めて考える必要があります。
例えば、死亡保険金を受け取るお孫さんは、法定相続人ではないため「500万円×法定相続人の数」の死亡保険金の非課税枠を利用できません。
また、近年は相続開始前の一定期間に受けた贈与を相続財産に加算して相続税を計算するルールがあります。
お孫さんが遺言による財産取得や死亡保険金の受取りによって相続税の納税義務者となる場合、生前贈与の加算対象となることがあります。
さらに、孫は、代襲相続人でない限り相続人ではないので、相続税が2割加算されます。
その結果、相続対策のつもりだったのに、想定より相続税が高くなったというケースも少なくありません。
生命保険は非常に有効な相続対策の一つですが、遺留分対策だけを見て判断するのではなく、相続税・贈与税・遺産分割まで含めて総合的に検討することが重要です。
最近は、銀行の担当者が、相続対策を勧めてくるというのを聞いたことがありますが、相続はかなり複雑な検討が必要になることが多いので、仮に大企業の従業員の人の提案だったとしても、安易に信用をしないでください。
少なくとも弁護士か税理士に相談することをおすすめします。