小規模宅地等の特例とAI(家なき子特例)

今日は、名古屋の実家を相続した方からの質問について、AIを絡めてお話をしようと思います。

 その方とは、相続税に関するご相談をさせていただきました。

状況としては、被相続人と相続人はいっしょに実家で同居していた、その後、相続開始日から1年前に賃貸アパートに引っ越しをして、それ以降はずっと賃貸に住んでいた。

このような場合に、実家敷地について小規模宅地の特例の適用はできるのか。

 というご不安がその相続人の方にはありました。

 AIに聞いても特例の適用が受けられない可能性があると回答があり、特例の適用ができないとは思っているが、念の為に税理士の意見も聞いてみたいというお話でした。

私も、実際にAIに質問を上記の質問をしてみました。

そうすると以下のような回答が返ってきました。

原則として、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用を受けることはできません。

相続人が相続開始前1年前にアパートへ引越した(別居した)場合、「同居親族」としての要件を満たさなくなります。また、別居親族が適用を受けるための通称「家なき子特例」の要件にも抵触します。

適用の可否を左右する具体的な要件と理由は以下の通りです。

1. 同居親族としての判定(否認)

  • 要件: 被相続人の亡くなった直前に同居しており、相続開始から申告期限(10ヶ月)まで引き続きその家屋に住み、土地を所有している必要があります。
  • 理由: 相続開始前1年前にアパートへ退去しているため、相続開始の直前において生活の拠点が実家にありません。したがって、同居親族には該当しません。

2. 家なき子特例としての判定(否認)

配偶者や同居親族がいない場合、別居親族が「家なき子」として特例を受けられる救済措置があります。しかし、以下の要件を満たせません。

要件: 相続開始前3年以内に、自己、配偶者、三親等内の親族、または特別な関係のある法人が所有する家屋に住んだことがないこと。

理由: 1年前まで被相続人(親族)の所有する実家に住んでいたため、「3年以内の親族所有家屋への居住制限」に抵触します。アパートでの賃貸暮らしの期間が1年間しかないため、家なき子特例も適用されません。

 という回答でした。

しかし、国税庁の小規模宅地等の特例の特に家なき子に関する特例適用の条件として、以下のような記載があります。

「相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族または取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。」

確かに、相続開始前3年以内に一定の親族等の家屋に住んでは特例の適用ができないことが記載されていますが、よく読むと「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。」という記載があります。

 少し難しい言葉で書かれていますが、簡単に言えば、一定の親族等の家屋に住んでいてはいけないものの、例外的に実家に住んでいた場合は問題なく特例の適用条件は満たしますよ、という意味です。

 AIの回答は一見すると論理的に正しいことが書かれているようにも見えますが、特例適用の例外部分については、まだ正しい判断ができないのだと思いました。

 もしかすると、もっとうまく質問を組み立てれば正しい回答があるのかもしれませんが、やはり税理士でない人が扱い切れるものではないのかな、というのが感想です。

 相続税は特例の適用ができるかどうかで、税額が数百万円変わる分野ですので、相続税に税理士に相談することをおすすめします。