9月に入りましたが、名古屋市はまだまだ暑い時期が続きます。
毎日のように相続税のご相談に乗っておりますが、最近、名古屋市にお住まいの方から、親御様がお亡くなりになったことに伴う相続税申告についてご相談にのった際の話を書いていこうと思います。
相続税申告では、現在残っている財産だけでなく、亡くなる前の一定期間に行われた贈与についても確認する必要があります。
今回のご相談では、相続人の方への聞き取りだけでは把握できなかった過去の贈与を、預貯金口座の取引履歴から確認することができました。
ご依頼を受けた際、まず相続人の方に、過去に被相続人から贈与を受けていないか確認しましたが相続人の方からは、「最近、親からまとまった金額をもらった記憶はない」とのお話がありました。
相続税に慣れていない税理士であれば、それ以上調べないこともそれなりにあると聞いたことがあります。
また、そもそも、そういった質問をせず、相続人本人が言ってくれなければ、申告書に反映させないというスタンスの税理士の方もいるようです。
しかし、相続税申告を適切に行うためには、相続人の記憶だけで過去の贈与の有無を判断することはできません。
そこで、いつも行っていることではありますが、その方についても被相続人の預貯金口座について、相続開始前の取引履歴を確認するとともに、相続人側の口座についても、まとまった入金がないかを確認しました。
その結果、被相続人の口座から、ある時期にまとまった金額が出金されていることが分かりました。
その出金について、単なる生活費や通常の支出なのか、それとも誰かに資金を移したものなのかを確認するため、出金前後の取引状況や金額、時期などを確認し、その内容をもとに相続人の方へ改めて確認をお願いしました。
すると、当初は贈与の認識がなかったものの、当時の状況を振り返っていただく中で、数年前に親御様からまとまった金額を受け取っていたことが判明しました。
相続人の方としては、かなり以前の出来事であったことから、相続税申告の際に確認される「過去の贈与」に該当するとは考えておらず、単純に記憶から抜けていたという状況でした。
相続税の計算では、相続開始前の一定期間に被相続人から贈与を受けている場合、その贈与について相続税の計算上、考慮する必要があります。
そのため、私は、相続人の方からの聞き取りに加えて、被相続人や相続人の預貯金通帳・取引履歴なども確認し、過去の資金移動についていつも慎重に検討しています。
相続税申告は、現在残っている財産を集計するだけではなく、過去の財産の移動についても確認することが重要です。
意識的な漏れでなくとも、税務調査のきっかけになりえますし、修正申告することになれば、通常支払うべき相続税に加え、ペナルティが課されます。
そうならないように、相続税の依頼は、慣れている税理士に相談されることをおすすめします。