第9回でのサムライコンサル塾では,コミュニケーションについて学びます。
ビジネスの上でのコミュニケーションとは一体何でしょうか。
部下上司と仲良くすることができれば,コミュニケーションがとれているといえるのでしょうか。
普段あまり考えないことですが,よく考えると奥が深い言葉であるということに気が付きます。
気になった方は,サムライコンサル塾を受講してみてはいかがでしょうか。
第9回でのサムライコンサル塾では,コミュニケーションについて学びます。
ビジネスの上でのコミュニケーションとは一体何でしょうか。
部下上司と仲良くすることができれば,コミュニケーションがとれているといえるのでしょうか。
普段あまり考えないことですが,よく考えると奥が深い言葉であるということに気が付きます。
気になった方は,サムライコンサル塾を受講してみてはいかがでしょうか。
弁護士の内堀昌樹です。
名古屋市では,10月1日から自転車損害賠償保険等のへの加入が義務化されます。
自転車でも漕ぎ方によってはかなりのスピードが出ますので,歩行者にとっては危険なものとなりえます。
実際,自転車と歩行者の衝突により,死亡事故がおき,加害者である自転車側に,数千万円の損害賠償責任を負った事例もあります。
自転車を使用する方でまだ保険に加入していない方も,これを機会に自転車事故に備えて,自転車損害賠償責任保険に入っておきましょう。
ちなみに,名古屋市内を自転車で通過する人も対象となりますので名古屋市外から名古屋市内に来る方も注意が必要です。
第6回サムライコンサル塾では,ブランディングについて学びます。
ブランドといって,皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
ロレックス?シャネル?ベンツ?いろいろ思い浮かぶものがあると思います。
これらのブランドには,共通点があります。
また,ごく最近できたブランドとして,皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
皆さんの思い浮かべたブランドには,ある共通点があることが講義の中で,浮き彫りにされていきます。
そして,その共通点を踏まえた上で,自分のブランド化ができないかを考えます。
一人ひとりが,自分のブランディングを意識して仕事をすることにより,より成長できるのではないでしょうか。
興味のある方は,サムライコンサル塾のHPを見ることをおすすめします。
先日,民法改正をテーマに内部研修がありました。
民法改正案は平成29年5月26日に可決され,6月2日に公布,3年以内(平成32年)に施行されます。
今回の改正案では,債権の消滅時効の期間や法定利率が変わるなど,社会に大きな影響の出るものが多くありますので,注意が必要です。
弁護士の内堀昌樹です。
第5回サムライコンサル塾では,マーチャンダイジングを学びます。
マーチャンダイジングとは,一言でいえば,商品政策,商品化計画を意味します。
簡単に言うと,商品をターゲットに,いくらでどのように提供するかということです。
講義では,消費者が商品を選ぶ時には,8つの基準があることを学びます。
その他にも,価格決定には,いくつかの法則があることも学びます。
興味がある方は,サムライコンサル塾のHPをのぞいてみてはいかがでしょうか。
刑法の一部を改正する法律案が,平成29年6月16日に可決され,7月13日から施行されています。
主なポイントとしては,性犯罪の厳罰化,非親告罪化などです。
強制性交等罪などは,法定刑の下限が引き上げられ,告訴がなくとも起訴できるようになります。
機会があれば,このブログでも,詳しい内容を書いていきたいと思います。
こんにちは,弁護士の内堀です。
サムライコンサル塾第4回に参加してきました。
このセミナーでは,単に柳生先生の話を聞くだけでなく,自分が学んだことを発表する時間も設けられています。
自分が読んだ本の内容を説明しつつ,実際にセミナー講師になったという設定で,自己紹介,セミナーの紹介をします。
今回,読んだ本は,「私の財産告白」本多静六著です。
本多静六は,明治から昭和にかけて活躍された方で,東大教授でありながら,独自の投資哲学,生活哲学をもって,莫大な財産を築きました。
この本には,本多静六がどのようにして財産を築いていったのか,そして単なる蓄財方法だけでなく,どう財産を使うべきか,さらには,どう生きるべきかということが書かれています。
ご興味のある方は,読んでみてはいかがでしょうか。
こんにちは,弁護士の内堀昌樹です。
サムライコンサル塾第3回を受講してきました。
第3回講義では,成功に至るためには,まず,現状を正確に把握しなければならないこと,現状を正確に把握するために必要な視点を学ぶことができます。
講義の後半では,マーケティングの基本的な考え方,そして,マーケティングで重要となる商品・サービスの根本的な要素である価値とは一体どのようなものであるかということが学べます。
興味のある方は,サムライコンサル塾のホームページをご覧になってはいかがでしょうか。
昨日,第2回サムライコンサル塾を受講してきました。
この度のセミナーでは,成功するための条件,成功へ至るためのステップ,成功するまでのプロセスについて,学びました。
このセミナーで気づいたことは,物事を分析し,分解することの大切さです。
成功というあやふやな言葉を分析し,成功するために必要な要素を分解して考えることがこのセミナーで学ぶことができます。
ご興味のある方は,サムライコンサル塾のホームページをご覧になってはいかがでしょうか
こんにちは,弁護士の内堀昌樹です。
名古屋で開催されたサムライコンサル塾に参加してきました。
サムライコンサル塾は,中小企業の経営者を元気にすることで,日本を元気にするということを信念に,コンサルティング能力を身につけることを目的としています。
私は弁護士ですが,経営者の方と接する機会が多く,弁護士業務のヒントになるものを得られないかという思いから参加させていただきました。
経営者の仕事とは何か,ということを定義付けることから,コンサルは始まります。
経営者として働いている人はたくさんいても,経営者の仕事が何であるかということを明確に定義し,経営者の仕事をしている人はどれだけいるでしょうか。
塾長である柳生先生は,自らの経験から得られたノウハウを惜しみなく塾生に伝え,日本を元気にしようとする情熱を持った方です。
サムライコンサル塾は,週1回のペースで3か月間,集中的に開催されます。
もし,ご興味を持たれた方は,サムライコンサル塾のホームページをご覧になっていはいかがでしょうか。
弁護士法人心柏駅法律事務所が6月にオープンしました。
http://www.bengoshi-kashiwa.pro/work/
柏市という字面から,ブナ科の柏がたくさん生えていたのか,とか,柏餅と関係するのかいろいろと想像が膨らみますが,どれもはずれでした。
「河岸場」に由来するという説が有力のようです。
地名の由来を考えたり,調べたりするのも勉強になります。
柏駅法律事務所は,柏駅から近く,便利なところにありますので,お気軽にご相談していただければと思います。
前回の記事では,配偶者の税額軽減について,概要を説明しました。
今回は,配偶者の税額軽減の注意点に関する記事です。
まず,気をつけなければならないのは,配偶者の軽減は,配偶者が実際に受け取った相続財産を基礎に計算されるため,相続税の申告期限までに分割されていない財産は,原則として,税額軽減の対象にならないということです。
相続税の申告期限とは,被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。
ただし,相続税の申告の際に添付書類として,「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出して,3年以内に相続財産を分割すれば税額軽減を受けることができます。
3年以内に分割できなくとも,申告期限後3年経過した日の翌日から2か月以内に,「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認請求書」を税務署に提出し,税務署長の承認を受けていれば,分割できない事情がなくなった後4か月以内に,更正の請求手続をすることで,税額軽減の対象となります。
以前の記事にも書きましたが,相続でもめると3年ぐらいはあっという間に経過してしまいます。
いつまでに,何を何処に提出しなければならないのかは,しっかりと記録し,忘れないようにしましょう。
配偶者の取得した税額の基礎となる財産が1億6000万円(基礎控除等の計算後の配偶者の取得額)で,配偶者の税額軽減を受けられる額も1億6000万円であったのに,これらの手続を忘れた場合,他の特例などを考慮せず単純に相続税を計算すると,
(1億6000万円-1700万円)×40%=5720万円
このように,5720万円の相続税がかかってきます。
絶対に忘れないようにしましょう。
他にも,配偶者の税額軽減を受けられなくなる場合や,配偶者に法定相続分以上に1億6000万円ギリギリまで財産を集中させることでかえって税金面で,後々損をすることもありますので,ご心配な方は,弁護士等の専門家にご相談ください。
柏駅の近くに弁護士法人心の新しい事務所ができました。
http://www.bengoshi-kashiwa.pro/
お客様が無理なく来所できるよう,柏駅の東口から徒歩2分の場所に事務所を構えています。
また,有料相談のお客様・ご契約いただいたお客様には,島田第一駐車場の駐車料金をサービスさせていただいておりますので,駐車券を事務所までお持ちください。
1階に紳士服のコナカさんが入居している,リーフスクエア柏ビルの3階に事務所があります。
お困りの際には,ぜひ,お気軽にご相談ください。
交通事故による後遺障害の一つに「高次脳機能障害」があります。
高次脳機能障害は,脳に損傷を負い,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害といった症状により,日常生活や社会生活に制約が出る状態のことをいいます。
この高次脳機能障害について,適切な後遺障害認定を受けるためには,法律,医学,後遺障害認定に関する専門的な知識に基づき,しっかりと準備をしたうえで,申請を行うことが重要です。
弁護士法人心では,高次脳機能障害の後遺障害申請に力を入れて取り組んでいます。
詳しくはこちらをご覧ください。
相続税減額の特例について,よく使われるものに配偶者の税額の軽減が上げられます。
配偶者の税額の軽減は,被相続人の配偶者が取得する相続財産について一定の範囲で相続税がかからない制度です。
一般的に,配偶者の財産により生活されている方も多いですので,遺された配偶者のその後の生活に配慮して,特に大きな税額の軽減が認められています。
配偶者の税額軽減により,1億6000万円か法定相続分のどちらか多い金額までは相続税はかかりません。(相続税法19条の2第1項)
ちなみに,法定相続分とは,民法上認められた相続人の相続割合のことをいいます。 例えば,①配偶者と子供が相続人である場合,配偶者の法定相続分は2分の1となります(民法900条1号)。
②配偶者と直系尊属が相続人である場合は, 配偶者の法定相続分は3分の2となります(民法900条2号)。
③配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は, 配偶者の法定相続分は4分の3となります(民法900条3号)。
参照条文 抜粋
(配偶者に対する相続税額の軽減)
第一九条の二 被相続人の配偶者が当該被相続人からの相続又は遺贈により財産を取得した場合には、当該配偶者については、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した残額があるときは、当該残額をもつてその納付すべき相続税額とし、第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額以下であるときは、その納付すべき相続税額は、ないものとする。
一 当該配偶者につき第十五条から第十七条まで及び前条の規定により算出した金額
二 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の総額に、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額が当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額
イ 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額に民法第九百条(法定相続分)の規定による当該配偶者の相続分(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続分)を乗じて算出した金額(当該被相続人の相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)が当該配偶者のみである場合には、当該合計額)に相当する金額(当該金額が一億六千万円に満たない場合には、一億六千万円)
名古屋の弁護士の内堀です。
前回の記事でも述べたように,生命保険金は相続財産ではありません。
ならば,相続税がかからないのではないか,相続財産を被相続人が亡くなる前に保険料としておけば生命保険金全額に相続税はかからず節税になるのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが,それは違います。
相続税法3条1項1号抜粋
第三条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
一 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約を取得した場合においては、当該保険金受取人について、当該保険金の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
簡単にまとめると,被相続人が保険料を払い,相続人が受取人となった場合,税務上は,保険金は相続により取得したものとみなし,課税の対象となるということです。
いわゆる,「みなし相続財産」といわれています。
ただし,生命保険金全額が相続税の対象となるのではなく,一定金額は非課税となることが認められています。
第十二条 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
五 相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額
ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額
簡単にまとめると,「法定相続人の人数×500万円」については,非課税となります。
この限度額の範囲において,相続税の節税が可能です。
このように,民法上の相続と税務上の相続は,その仕組みがまったく同じというわけではありませんので注意が必要です。
基本的なことから説明していきます。
そもそも,「相続」とは,被相続人の死亡によって開始します(民法882条)
そして,相続人は,相続開始の時から,被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。ただし,被相続人の一身に専属したものは,この限りではありません(民法896条)
この相続によって,承継される「被相続人の財産に属した一切の権利義務」が相続財産,一般的には遺産と呼ばれるものです。
この相続財産の中には,プラスの財産(現金,預金,不動産等)だけでなく,マイナスの財産(借金等)も含まれています。
それでは,被相続人が生命保険に入っており,相続人が受取人となっていた場合,生命保険金は相続財産となるのでしょうか。
上述のように,相続財産とは,「被相続人の財産に属した一切の権利義務」です。
保険金は,保険契約に基づき受取人が受け取る受取人固有の財産ですから,相続財産には含まれません。
しかし,生命保険金は,特段の事情があれば,特別受益に準じて持ち戻しの対象となることもある(最高裁判決H16・10・29)ので,注意が必要です。
最高裁判決H16・10・29の抜粋
養老保険契約に基づき保 険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は,民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないと解するのが相当である。
もっとも,上記死亡保険金請求権の取得のための費用である保険料は,被相続人が生前保険者に支払ったものであり,保険契約者である被相続人の死亡により保険金受取人である相続人に死亡保険金請求権が発生することなどにかんがみると,保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。
上記特段の事情の有無については,保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率のほか,同居の有無,被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係,各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべきである
さらに,「相続財産に含まれない」としても,「相続税の対象」とはなります。
相続税との関係については,次回の記事で書きたいと思います。
名古屋の弁護士の内堀です。
前回は,納める相続税が少なくなる可能性のある小規模宅地等についての相続税の課税価額の計算の特例(以下,小規模宅地の特例と省略します。)について記事を書きました。
今回は,相続税の申告時に相続財産が未分割である場合の注意点を書きたいと思います。
前提として,相続税の申告期限は,相続と知った時の翌日から10カ月以内です。期限後申告には,延滞税が課されます。
そして,相続税申告時に,遺産分割がされていなくとも,一旦は法定相続分に従い,相続税を納めなければなりません。
このような未分割の状態での相続税の申告の際には,小規模宅地の特例を適用することはできません。
ただし,申告期限後3年以内の分割見込書を税務署に提出すれば,3年の遺産分割時に小規模宅地の特例の適用を受けることができます。
この3年という期間が曲者です。
遺産分割でもめていれば,3年間程度はあっという間に過ぎます。
他方,遺産分割の紛争で頭がいっぱいの状況で,小規模宅地の特例の適用条件について記憶し続けるには,3年間は長すぎます。
そして,何もせず,3年経過したのちに遺産分割の合意をしても,小規模宅地の特例は適用されません。
前回の記事のように1億円の土地という相続財産があり,妻と子供の二人がいる場合であれば,小規模宅地の特例の適用がある場合には支払わずに済んだ相続税,合計770万円を納めなければならない事態に陥ります。
この3年という期間をしっかり覚えていれば,仮に未分割の状態で3年が経過しそうであっても,申告期限後3年経過時から2カ月以内に,「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出,税務署の承認を受けることで,小規模宅地の特例の適用が可能となります。
この場合,判決の確定の日など遺産が分割できる状態になったときから4ヶ月以内に分割を行えば,小規模宅地の特例の適用を受けることができます。
相続は,あらゆることに意識を向けていなければ,大きな失敗をする可能性があります。慎重に対応することが必要です。
相続財産には相続税が課せられます。
しかし,不動産を所有している場合,不動産の価値自体は高い傾向にありますが,現金が手許にあるとは限りません。
そのような場合にまで,画一的に相続税を課していれば,今まで住んでいたところを,相続を契機に追い出されかねません。
そのような,事態をできる限り防ぐため,租税特別措置法は,小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を設けています。
いわゆる,小規模宅地の特例は,一定の要件を満たせば,評価額が5割から8割減額されることになります。
例えば,被相続人の相続財産が1億円の土地のみで,相続人が妻と子供一人だった場合,(ここでは,配偶者の税額軽減の特例は無視します)
小規模宅地の特例がなければ,
基礎控除 3000万円+600万円×2=4200万円
1億円-4200万円=5800万円が課税される相続財産額となり,
妻・子供の法定相続分は,それぞれ2900万円ですから
2900万円×15%(相続税率)-50万円(控除額)=385万円がそれぞれの相続税となります。
相続財産に現預金がなく,妻・子どもにも財産がなければ,妻・子どもはこの土地を売るなどして現金を作らなければならなくなります。
他方,小規模宅地の特例の適用により,評価額が8割減額されれば,土地は2000万円と評価され,4200万円の基礎控除額よりも少額なため,相続税は0円となります。
妻・子どもは,この土地を追い出されることなく,住み続けることが可能となるのです。
小規模宅地の特例を利用するには,条件がありますので専門家にご相談ください。
また,生前であれば,小規模宅地の特例の適用を見据えて積極的に行動することもできる可能性があります。
先日の記事では,限定承認の税制上のデメリットを強調しましたが,もちろんメリットもありますし,特定の場合には便利な制度でもあります。
その一つとして,先買権の行使が挙げられます。
例えば,ある程度相続人に金銭的余裕があり,被相続人たる父親の土地建物を相続放棄したくないが,父親の借金を全て負うことはできないという場合です。
通常,相続放棄や限定承認がされると,不動産は競売等により換価されることが多いです。
しかし,限定承認の手続きの場合,相続人が希望すれば,家庭裁判所に鑑定人を選任してもらい,その鑑定人が評価した額で,競売にかけられる前に優先的に相続財産の一部を買い取ることができるのです。(買い取ることは義務ではないので,鑑定額が高すぎれば,買わないという選択をすることもできます。)
このことを「先買権の行使」といいます。
このように,一般的には使いにくい制度であっても,特定の場合には非常にありがたい制度になることもありますので,相続の場合は様々な角度からの検討が必要です。
ただし,限定承認の場合,まずは,相続人全員の共有で法定相続分に従い相続登記をすることになります。
そのため,相続人が複数いる場合は,先買権の行使をした相続人に対してさらに共有持分の移転があり,別途,不動産取得税,登録免許税等の費用がかかってくるので注意が必要です。